2020-21ニセコの冬まとめ

2月までは気温も平年よりやや低く、積雪は平年を上回って推移し、降雪量はやや多かった。一方で3月には寒気の流れ込みがほとんどなく、シーズンを通してみるとやや暖冬、やや少雪となった。

はじめに

昨シーズン(2019~20)のニセコは極端に雪の少ないシーズンとなり、3月以降はコロナ禍の影響も日増しに深刻になり、寂しい思いをした方も多かったことと思う。今シーズン(2020~21)はフルにコロナ禍の影響を受け、海外からのお客さんは0となり、国内でも1月から首都圏などで非常事態宣言が発出されたこともあって、ニセコのスキー場は閑散とした状態となった。一方、地球の営みは変わることなく、昨シーズンからは一転して、ニセコらしい降雪があった。ニセコに住み、日々自宅の除雪やスキー場の仕事に追われていると、「今年は雪が多いね」という印象があったが、実際はどうだったのかデータから検証してみたいと思う。

樺山観測所の積雪・降雪推移

この図はひらふスキー場に近い倶知安町樺山の自宅の庭で測っている積雪と降雪のデータ。棒グラフは2021年の日々の降雪量、折れ線グラフが過去4年分の積雪と過去10年で最も最深積雪が多かった2013年の積雪推移、Ave.として示している線はここで観測した13シーズン(2007年~2020年、ただし2009年は欠測)分の平均値である。

雪の少なかった2020年と一変して2021年は12月から順調に降雪が続き、積雪は13シーズン平均値に絡みながら増えていった。1月に入ってもまとまった降雪のある日が続き、積雪は13シーズン平均値を上回る状態が続くようになって、近年で雪の多かった2018年や2013年にも匹敵するような豪雪となった。ただ、1月下旬からは寒気が緩んで気温の高い日が続くこともあり、積雪の増え方も一段落し、3月になると気温の高い状態が続くようになって融雪が進んだ。2月中頃には最深で259㎝に達した積雪も、2月末からはどんどん下がって3月中旬には13シーズン平均値を下回るようになり、4月18日に0㎝となっている。

倶知安の積雪・降雪推移

この図(3種)は札幌管区気象台のホームページから閲覧できる倶知安の日降雪量、日最深積雪、累積降雪量のグラフである。

図の中段、日最深積雪のグラフから、12月中旬頃からは積雪が平年を上回るようになり、3月下旬まで積雪が平年より多い状態が続いた。その後は順調に融雪が進んで4月15日には0㎝となっている。シーズンの最深積雪は3月3日の236cmで、倶知安での観測史上(1944年1月~)10位の記録(238㎝)まで、あと2㎝に迫っている。

旬別の気温・降雪

この表は旬別に倶知安の最高気温、降雪量と札幌上空の気温を平年との比較で示したものである。850hPaはおよそ上空1,300m付近となり、概ねアンヌプリ山頂くらい高度の気温。500hPaはおよそ上空5,200m付近となり、冬の雪雲の雲頂くらいの高度の気温である。右側の列には平年差を示していて、平年より高い期間は赤で、低い期間は青で塗りつぶしている(ただし、降雪量は少ないとき赤、多いとき青)。

表の平年差に着目すると、12月中旬から1月上旬にかけて、地上、上空(下層・中層)共に気温の低い状態が続き、降雪量も非常に多くなっている。その後、1月中旬から2月下旬にかけては寒暖の変動が大きくなり、3月になると気温の高い日が続いて降雪もわずかになっている様子がわかる。

表の下に記した値は12月~2月(DJF)の平均、11月~3月(NDJFM)の平均、11月~4月(Total)の平均(降雪量は期間合計)で、これを見ると12月から2月にかけては気温はやや平年より低く、降雪も多くなっているものの、冬を通してみると気温は平年より高く、降雪量は少なかったことがわかる。

おまけ

近年の傾向として、平年並みの天候が続くということが少なく、極端な天候が現れやすくなっている。この冬の札幌での高層気象観測では1月19日9時に500hPaで -47.2℃を記録し、1月として観測史上第3位(通年でも第9位)、1月1日21時に850hPaで -22.0℃を記録し、1月として観測史上第4位(通年でも第9位)となっており、一時的とは言え、記録的な寒さもあったシーズンと言える。